最新のスマホで見かけるようになった、充電パッド(ワイヤレス充電機)にスマホを置くだけで充電できるワイヤレス充電。ワイヤレス充電という言葉以外に、無線給電や非接触給電という名前で呼ばれています。
一番の特長はケーブルをささずに充電できること。とても便利なんですが、そもそもケーブルがないのにどうやって充電するのか不思議に思いませんか?
そこでワイヤレス充電の仕組み、そしてこれから使おうか迷っている方にメリットや注意点を解説します。
ケーブルを使わずに電力を送ることを「ワイヤレス電力伝送」と呼び、それを充電に利用するのが「ワイヤレス充電」です。いくつか種類があって、遠くまで電力を飛ばせる「放射型」にはレーザー方式、マイクロ波方式、超音波方式なんて言うものがあります。スマートフォンで利用されているのは比較的近い距離で利用できる「非放射型」で、iPhone Xシリーズなど、iPhone 8以降で対応しているのはその中の「電磁誘導方式」です。
電磁誘導方式では「WPC」という標準化団体が取り決めている国際規格「Qi」(チー)が知られています。iPhoneはQiに対応しています。このQi規格に対応している充電パッドは、Qiに対応・準拠しているiPhoneやAndroid搭載のスマホ、そしてイヤホンや電動歯ブラシもワイヤレス充電ができる(互換性がある)というものなんです。
ワイヤレス充電はなぜケーブルなしで充電できるのか、それは「電磁誘導の原理」という呼ばれる仕組みが働いているんです。
1. 充電パッドの中には「送電用コイル」が入っています。電気を流すとこのコイルが反応して磁界(磁束)が発生して空気中に放出されます。ちなみに、電気が空気中に流れるのではなく、磁界が発生するので危険はありません。
2. 充電パッドに「受電用コイル」が入ったスマホを近づけます。スマホの中のコイルは空気中の磁界に反応して電力に変換します。
3. このとき誘導電流が発生し、その電力をバッテリーに蓄える仕組みです。