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ライブ配信「Twitch」がエンタメビジネスの新常識?「投げ銭ビジネス」が流行る理由 【連載】エンタメビジネスの勝ち筋

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    ライブ配信「Twitch」がエンタメビジネスの新常識?「投げ銭ビジネス」が流行る理由

    【連載】エンタメビジネスの勝ち筋

    近年、エンタメ・コンテンツ業界では、米ライブ配信大手の「Twitch」をはじめ、日本では「SHOWROOM」や「17LIVE(ワンセブンライブ)」など、応援したい対象に直接送金できる「投げ銭」と呼ばれる仕組みを前提としたサービスが急成長しています。今回は、そんな「投げ銭ビジネス」の可能性を探ります。

    京都精華大学 准教授 富樫佳織

    京都精華大学 准教授 富樫佳織

    学習院大学法学部卒業。早稲田大学商学研究科修了(MBA)NHK(日本放送協会)、放送作家、WOWOWでのプロデューサーを経て現職。専門は、ビジネスモデル、イノベーション・プロセス、コンテンツビジネス、マーケティング。放送番組の受賞歴として『Blueman Group Connect to Japan』(WOWOW)での第40回国際エミー賞アート番組部門ファイナリスト、第2回衛星放送協会オリジナル番組アワード中継番組部門最優秀番組、映文連アワード2013「ソーシャルコミュニケーション部門」部門優秀賞、ほか。著書に『この一冊で全部わかる ビジネスモデル』(2020年、SBクリエイティブ)『やわらかロジカルな話し方』(2017年、クロスメディア・パブリッシング)。

    <目次>
    1. クリエイターエコノミーとは
    2. 人々が「投げ銭」に惹きつけられる理由
    3. 投げ銭プラットフォーム「Twitch」、どうやって稼いでる?
    4. Twitchが儲かるワケ、収益モデルのカラクリとは
    5. 投げ銭時代の「顧客」の役割
    6. 投げ銭時代のエンタメと旧来エンタメの決定的な違い

    クリエイターエコノミーとは

     現在、エンタメ業界では、「クリエイターエコノミー」と言われるキーワードが注目されています。これは、SNSや動画配信などのプラットフォームを通じて発信された投稿文やゲーム実況動画、アイドルの音楽ライブ配信などのコンテンツに直接ユーザーが対価を支払う経済圏を指します。 クリエイターエコノミーの特徴は、プロでもアマチュアでも同等にプラットフォームを介して収益を得られることです。また、ユーザー自身が発信者や、コミュニティのオーガナイザーになるという点も特徴です(図表1)。 日本でも2021年7月8日に、YouTuberマネジメントの先駆けであるUUUM(ウーム)や、BASE、noteといった企業からなるクリエイターエコノミー協会が発足し、クリエイティブ活動の促進に取り組むことを発表しました。 そうしたクリエイターエコノミーを成り立たせるために不可欠なのが、クリエイターが利用する配信プラットフォームでの「投げ銭」の仕組みです。ここからは、投げ銭ビジネスの特徴や可能性を解説していきます。

    人々が「投げ銭」に惹きつけられる理由

     「投げ銭」とは、インターネットのライブ配信サービスなどを視聴する際、ライブのチケット購入とは別に、配信主にチップのようにオンラインで送金をするシステムのことです。 主なサービスとして、2011年にアメリカでサービスを開始したゲーム実況サイトの「Twitch」や、日本ではアイドルのストリーミングライブなどが多い「SHOWROOM」、「17LIVE(ワンセブンライブ)」などがあります。送金の方法は、プラットフォームで販売しているアイテム(花束や宝石、タワーなど)をオンラインで購入したり、チャット欄にコメントを書き込む際に金額を指定して支払うなどさまざまです。 その代表的な事例が、YouTubeのライブ配信時の「スーパーチャット」という機能です。スーパーチャットの登場により、ファンが配信者に対して投げ銭をする新しい楽しみ方が始まりました。 「スーパーチャット」は、料金を支払うことで、配信中の動画の横に表示されるチャット欄に、自ら投稿したコメントに色を付けて目立たせたり、長い時間上部に配置させることができる機能です。色によって、投稿者がいくら配信者に投げ銭をしたのかが可視化されるシステムで、最も安い料金は100円からとなっています。最も高いのはコメントが赤色になる5万円で、投稿したコメントがチャット画面の目立つ位置に最大5時間固定されます。 スーパーチャットでは、リアルタイムで誰が投げ銭をしたのかが分かるため、配信者がオーディエンスの名前を呼んだり、メッセージを読んでくれたりします。このようにお金を支払う側にとっては、応援している配信者とのコミュニケーションが最大の魅力になります。 それ以外にも「ほかのファンに自分がたくさん投げ銭したのを見せたい」という動機があるほか、筆者が大学生から聞いて驚いた理由には「応援しているアーティストに少しでも多くお金が入る方法を考えると、中抜きされるCDやグッズの購入より、投げ銭が一番良い」という意見もありました。もちろん、Youtubeや17LIVEも手数料をとられますが、アーティストへの還元率の高さから「投げ銭」のプラットフォームを通じた応援の仕方が選ばれていると考えられます。関連記事

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    投げ銭プラットフォーム「Twitch」、どうやって稼いでる?

     ビジネスモデルとしての「投げ銭」はとても古く、大道芸人が路上に置く帽子に観客が思い思いのお金を入れたり、レストランでチップを支払うといったものがありますが、デジタルプラットフォーム上での「投げ銭ビジネス」をいち早く成功させたと言えるのは、アメリカのゲーム実況配信サービス「Twitch」です。 Twitchは、2011年にスタートしたゲーム動画配信専門のプラットフォームです。同社から誕生したビジネスモデルは大手プラットフォームからも注目され、設立から3年後にAmazonに買収されることになりました。 世界中のゲーム実況者がリアルタイムで配信するコンテンツをメインとし、コスプレや、音楽配信へとカテゴリーを広げ、2018年には実況を行うストリーマー(配信者)が300万人以上、毎日およそ50万人がライブ配信を行う規模に成長しました。 成長を遂げたTwitchの魅力は、「Cheering(チアーリング)」という投げ銭機能にあります。それ以外にもTwitchは、複数の提供価値を持つビジネスモデルです(図表2)。 Twitchがユーザーに提供する価値は、ストリーマーを直接応援したり、コミュニケーションを取ることで得られる満足感とエンゲージメントです。 そうした価値を提供するプラットフォームを成立させるために、サイト内で使用できる「ビッツ」と呼ばれる通貨を販売しています。この通貨は、AmazonとPaypalを通じて購入することができます。 初期の頃のビッツは宝石のアイコンで、金額によって色や形が異なるものでした。近年では、自分の顔でアイコンを作るカスタム機能を提供し、投げ銭をした視聴者の存在感をより際立たせられるよう進化しています。【次ページ】Twitchが儲かるワケ、収益モデルのカラクリとは

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