Amazon「Fire HDX 8.9」

書かれた 沿って notbook

まずは従来モデル「Kindle Fire HDX 8.9」とのスペックの比較から。

【表1】旧モデルとの比較
製品名Fire HDX 8.9Kindle Fire HDX 8.9
発売時期2014年11月2013年11月
メーカーAmazon
サイズ(幅×奥行き×高さ、最厚部)231×158×7.8mm231×158×7.8mm
重量約375g約374g
OSFire OS 4Fire OS 3
RAM2MB
CPU2.5GHzクアッドコアSnapdragon APQ80842.2GHzクアッドコアSnapdragon 800
GPUAdreno 420Adreno 330
画面サイズ/解像度8.9型/2,560×1,600ドット(339ppi)
通信方式IEEE 802.11a/b/g/n/acIEEE 802.11a/b/g/n
内蔵ストレージ16GB(ユーザー領域9.9GB)32GB(ユーザー領域24.3GB)64GB(ユーザー領域52.9GB)16GB(ユーザー領域10.9GB)32GB(ユーザー領域25.1GB)64GB(ユーザー領域53.7GB)
バッテリ駆動時間(公称値)12時間(書籍のみの場合18時間)
カメラ前面+背面
価格(発売時)40,980円(16GB)47,180円(32GB)53,280円(64GB)39,800円(16GB)45,800円(32GB)51,800円(64GB)

本製品は内部の強化が図られた製品ということで、外見については従来モデルに当たる「Kindle Fire HDX 8.9」とまったく同一である。これまでのKindleならびにFireシリーズでは、外観がそのままで内部の強化が図られた新製品が投入されるケースはあったが、ボディカラーが異なっていたり、ロゴが刷新されていたりと、何らかの見分け方があることがほとんどだった。その点本製品は、外観ではまったく見分けが付かない。

Amazon「Fire HDX 8.9」

また、端がナナメにカットされ、手に持つと薄く感じられるボディデザインも従来モデルに準じており、さらにスピーカーが背面にあるため音が後ろに抜けやすく正面から聞こえにくいという、どちらかというとマイナス面の特徴もそのままだ。純正カバーを付ければ背面で音を反射させて正面から聞こえやすくすることは可能だが、重量が増してしまうので悩ましいところである。

このほか、他社タブレットのほとんどが実装している充電ステータス表示のLEDがなかったり、メモリカードスロットを搭載しないのも、従来モデルと同様だ。

背面左上には音量調節キーのほか、上部にスピーカーを搭載。従来モデルとまったく同じ配置だ。余談ながら背面に指紋がつきやすいのも従来のまま背面右上。丸型の電源キー、スピーカーを搭載。ボタンは若干凹んでおり、正面からでも位置を把握しやすい背面。上部には背面カメラを備える。amazonロゴも含め、従来モデルとまったく同一のデザイン従来モデルと同じく断面がやや傾斜したボディであるため、USBケーブルを挿すとわずかに上を向く特徴もそのまま厚さ7.8mmの薄型ボディは健在。最近ではiPad Air 2などさらに薄いタブレットもあるが、本製品は本体が軽いことから、数値以上に薄く感じられる上が本製品、下が従来モデルのKindle Fire HDX 8.9。外観だけではまったく見分けがつかない背面。写真では若干色味が違って見えるが、素材感も含めてまったく同一だ

一方、内部についてはCPUおよびGPUの強化に加えて、Wi-Fiは新たにIEEE 802.11acに対応するなどのスペックアップが見られる。11acについては、同時期に発売された「iPad Air 2」、「Nexus 9」のほか、「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」も対応を果たしており、ニーズに合わせて実装されたというよりも、2014年秋~冬モデルのトレンドの1つと捉えたほうがいいだろう。

OSはAndroid 4.4をベースとした同社の独自OS「Fire OS 4」を搭載する。もっとも、本製品がリリースされてしばらくのち、従来モデルもFire OS 4へのバージョンアップが提供されたので、出荷時点でインストールされているか否かだけの違いで、ユーザーにとって条件は同じということになる。本製品と従来モデルではユーザー使用可能領域におよそ1GBの差があるが、Fire OS 4へのバージョンアップでほぼ等しくなるものと考えられる。

続けて、同時期に発売された「Nexus 9」、「iPad Air 2」と比較してみよう。

【表2】他製品との比較
製品名Fire HDX 8.9Nexus 9iPad Air 2
発売時期2014年11月2014年11月2014年11月
メーカーAmazonGoogle/HTCApple
サイズ(最厚部)231×158×7.8mm228.25×153.68×7.95mm240×169.5×6.1mm
重量約375g約425g約437g
OSFire OS 4Android 5.0iOS 8
画面サイズ/解像度8.9型/2,560×1,600ドット(339ppi)8.9型/2,048×1,536ドット(288ppi)9.7型/2,048×1,536ドット(264ppi)
通信方式IEEE 802.11a/b/g/n/acIEEE 802.11a/b/g/n/acIEEE 802.11a/b/g/n/ac
内蔵ストレージ16/32/64GB16/32GB16/64/128GB
バッテリ駆動時間(公称値)12時間(書籍のみの場合18時間)9.5 時間10時間
カメラ前面+背面
価格(発売時)40,980円(16GB)47,180円(32GB)53,280円(64GB)43,090円(16GB)49,570円(32GB)53,800円(16GB)64,800円(64GB)75,800円(128GB)
備考-LTEモデルも存在

本製品と同時期に発売されたiPad Air 2は9.7型にして約437gと、従来モデル比で32gの軽量化を達成したが、画面サイズの違いを無視して重量だけを見るならば、本製品のほうがまだ優位を保っている。また同じ8.9型であるNexus 9と比較しても、50gも軽い。

7.8mmという厚みについては、iPad Air 2には敵わないものの、本体が軽いことから、実際に持ってみると数値以上に薄く感じられるほか、Nexus 9との比較では本製品の方が優勢だ。最近はiPad Air 2のほかソニーのXperia Z2 Tablet/Z3 Tablet Compactなど薄型化が著しく、本製品も従来モデル登場直後のインパクトは失われているが、まだまだ一線級の薄さである。