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Amazon「Kindle Oasis (第9世代)」レビュー【後編】

書かれた 沿って notbook

防水端末としての実用性はKoboを圧倒

 7型スクリーンの採用と並んで本製品の目玉となる特徴が、防水機能だ。IPX8準拠とのことで、つまり水がかかっても問題ないのはもちろん、1時間程度は水中に沈めたままでも動作に支障がないということになる。入浴しながらの読書にはもってこいだろう。

 同じIPX8準拠の防水機能は、「Kobo Aura H2O Edition 2」にも搭載されているが、実用性はどちらが上だろうか。先に結論を書いてしまうと「本製品の圧勝」となる。

本製品(左)とKobo Aura H2O Edition 2(右)。どちらもIPX8準拠の防水機能を備える。楽天Koboではこれ以外に7.8型モデル「Kobo Aura ONE」もIPX8に準拠している

 実のところ、タッチスクリーン周りの挙動だけを見ると、両者にそう大きな違いはない。

 たとえば、水に濡れてスクリーンに水滴が付着したままタッチ操作を行なおうとすると、うまく反応しなかったり、あるいは意図しない反応をすることがある。水滴の付着量、および付着した部位によって反応は多少変わるが、症状そのものは両製品ともに共通だ。

 また、シャワーなどで絶えず水をかけ続けているような状態では、勝手にページがめくれたり、画面の拡大縮小が延々と繰り返されるなどの、「暴走」と表現して差し支えない異常動作がよく起こる。さらに完全に水没してしまうと、タッチスクリーンは一切反応しなくなる。

Amazon「Kindle Oasis (第9世代)」レビュー【後編】

 上記の症状のほか、濡れた画面を軽く拭いて、タッチの反応が正常に復旧するまでに要する時間も、両製品に大きな違いは感じられない。

 ではなぜ本製品の圧勝かというと、本製品に搭載されている、ページめくりのための物理ボタンの存在によるところが大きい。

 本製品が備えるページめくりボタンは、水滴がスクリーンに付着したままの場合はもちろん、端末が完全に水中に没してタッチスクリーンが一切反応しない状況下でも、まったく問題なく動作する。文字通りの万能だ。

 Kobo端末にはタッチスクリーンの代替となるページめくり機構は用意されていないので、実用性は本製品のほうが圧倒的に上というわけだ。

「Kobo Aura H2O Edition 2」で、基本的なページめくりを試したのち、シャワーで水をかけた時の様子。水がかかっている最中は画面の拡大縮小などの異常動作が起こるほか、その後水滴が付着したままの状態でタッチ操作しようとすると、ページがうまくめくれずに苦労する本製品で同様の実験を行なった様子。Koboに比べると全体的にまともだが、それでも1ぺーじめくろうとして2ページめくってしまうなど、タッチ操作時の誤動作はある。ただしページめくりボタンを使った場合は、水滴が付着したままの状態でも、快適にページをめくることができるこちらは水没テストの様子。「Kobo Aura H2O Edition 2」は、水没中はタッチスクリーンは無反応となり、水から引き上げたあとは、手を触れない状態で画面の拡大縮小などの異常動作が長時間継続する本製品での水没テストの様子。水没中にタッチスクリーンが無反応となるのはKoboと同様だが、ページめくりボタンを使えば、水中でも問題なくページをめくることができる。水から引き上げたあとの異常動作は本製品でも少なからず見られるが、正常動作に戻るまでの時間は短めだ

 さらにもう1つ、防水端末として本製品のほうが有利な点がある。それは、本製品のスクリーンが完全にフラットであることだ。

 「Kobo Aura H2O Edition 2」はスクリーンとベゼルの間に段差があるため、画面に付着した水滴をぬぐった場合、必ずその段差に水滴が残ってしまう。タオルやティッシュを使わない限り、溝の部分に残った水滴を完全に除去するのは難しい。

 その点、本製品はスクリーンとベゼルに段差がないため、水滴を拭うのは極めて容易だ。特に入浴中やシャワー中などは、乾いたタオルが常時手の届く場所にあるわけではないので、手のひらなどでサッと拭えるかどうかは重要なポイントだ。

 Koboのもう1つの防水端末「Kobo Aura ONE」はベゼルの段差がなくハンデにはならないが、「Kobo Aura H2O Edition 2」との比較では、本製品のほうが有利だ。

 なお、KoboはUSBポートが本体底面にあるので、上から水をかかってもそれほど心配はないが、本製品は天地が反転できる構造ゆえ、USBポートが上面に来た状態で強い水流を掛けないよう、注意したほうがよい。

 こうした取り扱いについては、Amazon側が詳細な説明ページを用意しているので、製品を利用する前に、目を通しておいたほうがよいだろう。