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社説/関西スーパー、H2O傘下に 株主と利用者が評価する経営を | 日刊工業新聞 電子版

書かれた 沿って notbook
社説/関西スーパー、H2O傘下に 株主と利用者が評価する経営を

(2021/11/3 05:00)

地域で勝ち残るスーパーの事業モデルを示してもらいたい。

大阪・兵庫を地盤とする中堅スーパー、関西スーパーマーケットの阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングへの傘下入りが決まった。関西スーパーの臨時株主総会で、H2Oとの経営統合案が可決に必要な3分の2以上の賛同を66・68%という僅差ながら得た。関西進出の足がかりを狙い、関西スーパーのTOB(株式公開買い付け)実施を表明していた同業のオーケー(横浜市西区)は、統合反対を呼びかけたが及ばなかった。

関西スーパーは今後、H2O子会社となり、同じくH2O子会社のイズミヤ、阪急オアシスと経営統合する。2022年2月に中間持ち株会社「関西フードマーケット」を設立し、スーパー3社を束ね、売上高4000億円規模の連合体として事業基盤を固める。

H2Oは食品スーパー事業を、百貨店事業に次ぐ第2の柱と位置づける。関西スーパーとは16年に資本業務提携し、互いに信頼関係を築き、シナジーの創出を図ってきた。一方でH2Oはイズミヤなど子会社の構造改革が道半ばにあり、大手の総合スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどとの競争も激しい。今回TOBでの買収はならなかったが、「エブリデーロープライス」の販売戦略を打ち出すオーケーも関西への進出を諦めていない。

H2Oと3社連合が商品の共同仕入れなど規模によるコストダウンで収益力を高め、商品力やサービスでライバルとの差別化を打ち出せるか。株主と利用者が評価する経営を実行できるかにかかる。地域密着型の食品スーパーは生活インフラの役割も担う。超高齢化社会における「買い物弱者問題」に積極対応することも重要だ。

関西スーパーは、かつて生鮮食品の加工処理で日本独自のバックヤードシステムを開発し、それを他社にも教え、スーパー業界の発展に貢献した。3社連合でも業界を活気づけ、先導できるスーパーづくりを目指してもらいたい。

(2021/11/3 05:00)

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