プレフィックス番号とは、音声通話で、電話をかける際に特定の番号を付けて電話番号を呼び出すと通話料が安くなるという識別番号のことです。
現在、携帯電話では、手動でその識別番号をかけたい電話番号の前にプッシュするか、あるいはスマートフォンの場合、専用アプリを使って電話をかけることでユーザーの代わりにプレフィックスをつけて電話をかけてくれるようになっています。特にMVNOの回線を利用する場合、「専用のアプリを使うと通話料金が安くなる」(例:30秒10円など)というサービスとして提供されていることが多いようです。
この手の専用アプリの代表的なものとしては、IIJmioの「みおふぉんダイアル」や、mineoの「mineoでんわ」、OCN モバイルONEの「OCNでんわ」などがあります。これらは、それぞれ「0037691」「006751」「003544」というプレフィックスを手動で付ける替わりをしてくれているのです。
逆にいえば、これまでは格安SIMを使っていても、スマートフォンの通常の通話アプリを使っていた場合、たとえば30秒で20円というような高い料金を払って通話をすることになってしまっていました。
プレフィックス番号自動付与とは、設備を持った事業者の交換機などで自動的に識別番号を付与することです。これによって、「プレフィックス番号」をユーザーの手や、スマートフォンのアプリを利用せずに、同等の効果を得ることができます。
固定電話でいえば、利用したい電話会社をあらかじめ登録しておけば、その会社のプレフィックスをダイヤルしなくても、登録した会社で電話をかけることができる電話会社選択サービス「マイライン」がありますが、これと似たようなものであると言えるかもしれません。
ただ、携帯電話の場合は、マイラインとは違い特に手続きなどはしなくとも、格安携帯電話会社を選んだ時点で安い通話料金が選択されることになるので、より選択が手軽になるとも考えられます。
携帯電話の基地局などの設備を持つ携帯電話会社のうち携帯電話大手3社は、2021年2月中に「プレフィックス番号自動付与」サービスの接続約款の届出を行い、早期の受付開始を案内するとしています。