日産ノート・オーラG FOURレザー・エディション
一言でまとめれば「ワイドボディで3ナンバー化したノート」である。流れとしては7代目セド/グロから派生したシーマを思い起こすが、外観はフロントマスクやバンパー、フェンダーまわり、リアドア、ランプグラフィックを変更。【写真】走りにこだわった小さな高級車【オーラ/オーラ・ニスモを詳しく見る】 (153枚)かなりの部分に手を加えた割にノートのイメージ残っているのだが、コンパクトサイズの利点を失わずに外観から窮屈さを除いたのは好感が持てる。並べて見ればオーラをオリジナルに5ナンバー化させたのがノートという印象さえ受ける。当然、プラットフォームはノートと共通するが、トレッド幅及びタイヤサイズが拡大している。これにより最小回転半径も30cm拡大しているが、ノートと変わらない車両感覚のおかげで余程の狭い場所でもなければ取りまわしが低下した印象はない。パワートレインはハード的にはノートとほぼ共通だが、前輪駆動系のモーターの最高出力を15kW増の100kWに、最大トルクを2.0kg-m増の30.6kg-mに向上。ちなみにFF車のノートの車重差は40kg。パワーウェイトレシオでは10%以上改善されている。なお、グレード展開はG、およびそのレーザーエディション。室内機能装備の標準設定はノートの最上級グレードと大きく変わらないが、前席ヘッドレストを備えたボーズのオーディオシステムなどの上級装備も用意されている。
日産ノート・オーラG FOURレザー・エディション
一般走行レベルではノートとオーラの動力性能の違いはあまりない。実用域の最大トルクは7%以上増加すれば、ガソリン車ならドライブフィールに相当影響する。しかし、オーラのドライブフィールに殊更のパワーアップ感はない。ノートのeパワー自体が、低中速の実用域での力強いドライバビリティを重視した制御。揺り返しなどの反動を抑えつつ、大きなトルクを滑らかに立ち上がらせる。そういった基本制御はオーラも共通であり、やはり浅いペダルストロークでの間髪入れない反応のよさや急な踏み込みでも荒げることなくグイグイ加速する様はノートで味わったものと共通している。差が出るのは急加速時と高速域だ。急加速での加速性能はパワースペックからして当然だが、ただこれはアドバンテージとしては控え目。しかも、普通の使い方なら低中速域で全開にするような機会もない。「試してみれば」程度の長所だ。高速域の動力性能となると違っている。巡航時のペダルの踏み込み量に大きな差はなく、余力感は似ているのだが、実際の余力は違っている。追い越しなどの強い加速に移行すると、オーラのほうが加速の伸びがいい。120km/h規格高速道路が増えるほどにオーラの動力性能の優位性は実践的な性能差としてメリットも増加するわけだ。