AMD最強の「Radeon RX 6900 XT」は競合とどのぐらい渡り合える性能なのか?

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それではベンチマーク結果をみていこう。

実施したテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 4」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「レインボーシックス シージ」、「VALORANT」、「オーバーウォッチ」、「Call of Duty: Black Ops Cold War」、「モンスターハンターワールド : アイスボーン」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「ウォッチドッグス レギオン」、「Godfall」、「Horizon Zero Dawn」、「Microsoft Flight Simulator」、「Blender Benchmark」。

今回のテストにおいて、画面解像度を自由に変更できるゲームでは、フルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)の3とおりの画面解像度でテストを実施した。

テストに用いたGPUの1つであるGeForce RTX 3090は「8Kゲーミング」をターゲットとしているGPUなのだが、8Kディスプレイを用意できなかったことと、AMDのGPUで仮想超解像度(VSR)を利用しても5K解像度までしか実現できなかったことから、8K解像度での検証は断念した。

AMDのGPUでは、仮想超解像度(VSR)を利用しても5K解像度までしか実現できない

3DMarkでは、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、DirectX Raytracing(DXR)テストの「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」を実行した。

Time Spyでベストなスコアを記録したのはGeForce RTX 3090で、Radeon RX 6900 XTはトップと7~12%差の2番手となっている。Radeon RX 6800 XTとの差は約5%。

Fire Strikeでは、Radeon RX 6900 XTが最高スコアを記録しており、GeForce RTX 3090に1~7%、Radeon RX 6800 XTに3~9%の差をつけた。

グラフィックスAPIにVulkanを用いるWild Lifeにおいて、Radeon RX 6900 XTはトップのGeForce RTX 3090と約6%差の2番手で、下位モデルのRadeon RX 6800 XTを約5%上回った。

DXRテストのPort Royalでは、Radeon RX 6900 XTはRadeon RX 6800 XTに9%の差をつけて上回ったものの、GeForce RTX 3090には約36%の差をつけられた。よりDXR性能にフォーカスしたテストであるDirectX Raytracing feature testでは、Radeon RX 6900 XTとRadeon RX 6800 XTの差が約11%である一方、GeForce RTX 3090との差は2倍弱にまで開いており、リアルタイムレイトレーシング性能に関してはGeForce RTX 30シリーズに分があるようだ。

【グラフ01】3DMark v2.16.7113「Time Spy」【グラフ02】3DMark v2.16.7113「Time Spy Extreme」【グラフ03】3DMark v2.16.7113「Fire Strike」【グラフ04】3DMark v2.16.7113「Fire Strike Extreme」【グラフ05】3DMark v2.16.7113「Fire Strike Ultra」【グラフ06】3DMark v2.16.7113「Wild Life」【グラフ07】3DMark v2.16.7113「Port Royal」【グラフ08】3DMark v2.16.7113「DirectX Raytracing feature test」

VRMarkでは、DirectX 11テスト「Orage Room」、DirectX 12テスト「Cyan Room」、5K解像度テスト「Blue Room」を実行した。

比較的軽量なOrange RoomはCPUのボトルネックが生じやすいテストなのだが、Radeon RX 6900 XTと最高スコアを記録したGeForce RTX 3090の間には14%の差がついている。このさい、Radeon RX 6000シリーズのGPU使用率は100%に達していないことから、GPU性能の差が反映された結果ではなく、CPUやその他の要素がボトルネックになった結果であると見るべきだろう。

DirectX 12テストのCyan Roomでは、Radeon RX 6900 XTが全体ベストを記録しており、2番手のRadeon RX 6800 XTに約4%、GeForce RTX 3090には約14%の差をつけた。

5K解像度のBlue Roomでは、Radeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3090に次ぐ2番手で、トップとの差は約12%で、Radeon RX 6800 XTには約8%の差をつけた。

【グラフ09】VRMark v1.3.2020「スコア」【グラフ10】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に固定してテストを実行した。

全体ベストのスコアを記録したのはGeForce RTX 3090で、Radeon RX 6900 XTとの差は8~18%。Radeon RX 6900 XTとRadeon RX 6800 XTの差は2~8%だった。

【グラフ11】ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、描画品質を「高品質」に固定してテストを実行した。

最高スコアを記録したのはGeForce RTX 3090で、Radeon RX 6900 XTはトップと7~22%差の2番手だった。下位モデルのRadeon RX 6800 XTとの差は7~8%。

【グラフ12】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

Forza Horizon 4では、描画品質を最高の「ウルトラ」に固定して、ベンチマークモードを実行した。

フルHD解像度では252~253fpsでRadeon RX 6900 XTとRadeon RX 6800 XTが横並びで、218fpsだったGeForce RTX 3090を約16%上回った。WQHD以上ではRadeon RX 6900 XTが単独トップとなっており、Radeon RX 6800 XTに4~9%、GeForce RTX 3090には8~19%の差をつけた。

【グラフ13】Forza Horizon 4 (v1.451.334.2)

DIRT 5では、描画品質をもっとも高い「Ultra High」に設定して、ベンチマークモードを実行した。

もっとも高い平均フレームレートを記録したのはGeForce RTX 3090で、Radeon RX 6900 XTとトップとの差は1~8%だった。Radeon RX 6800 XTに対しては、WQHDではなぜか並んでいるものの、フルHDで約12%、4Kで約8%高いフレームレートとなっている。

【グラフ14】DIRT 5 (v1.0.245225.133)

フォートナイトでは、グラフィックスAPI「DirectX12」で描画品質を「最高」にした設定と、それをベースにレイトレーシング関連の項目を(DXR)を最高にした設定で、フレームレートの測定を行った。

レイトレーシング無効時にもっとも高い平均フレームレートを記録したのはRadeon RX 6900 XTで、GeForce RTX 3090に1~11%、Radeon RX 6800 XTには9~14%の差をつけた。

レイトレーシングを最高設定で有効化した場合、GeForce RTX 3090が比較製品中ベストの性能を発揮している。Radeon RX 6900 XTとGeForce RTX 3090の差は84~102%という大差であり、3DMarkで見られたレイトレーシング性能の差が実際のゲームにも反映された恰好だ。

【グラフ15】フォートナイト (v15.00) - DirectX 12【グラフ16】フォートナイト (v15.00) - DirectX 12 + レイトレーシング

AMD最強の「Radeon RX 6900 XT」は競合とどのぐらい渡り合える性能なのか?

レインボーシックス シージでは、描画品質「最高」をベースに、レンダリングのスケールを100%に設定してベンチマークモードを実行した。グラフィックスAPIは「Vulkan」を利用した。

Radeon RX 6900 XTは、フルHDではGeForce RTX 3090に4%の差をつけてトップに立っているが、WQHDでは2%、4Kでは13%の差をつけられて全体2番手のフレームレートとなっている。Radeon RX 6800 XTとの差は8~9%。

【グラフ17】レインボーシックス シージ (Y5S3.3.1)

VALORANTでは、設定可能な描画品質を最高にして、フレームレートを測定した。

Radeon RX 6000シリーズは、フルHDからWQHD解像度にかけて平均780fps前後でフレームレートが頭打ちになっている。GeForce RTX 3090も同解像度ではフレームレートが頭打ちになっているが、こちらはRadeon RX 6000シリーズにより11~13%高い870fps前後となっている。この結果はVRMarkのOrange Roomで見られたものと類似しており、CPUのボトルネックの影響を受けやすいと言えるのかもしれない。もっとも、VALORANTでは平均780fpsか870fpsかという超高フレームレートでの話なので、プレイへの影響はほとんどない。

4K解像度ではGPUの実力差がフレームレートに反映されており、Radeon RX 6900 XTはトップのGeForce RTX 3090と15%差の2番手で、Radeon RX 6800 XTには6%の差をつけた。

【グラフ18】VALORANT (v01.12.00.0498671)

オーバーウォッチでは、描画品質を最高の「エピック」に設定しつつ、レンダー・スケールを100%に固定してフレームレートを測定した。上限フレームレートは400fps。

Radeon RX 6900 XTは、GeForce RTX 3090に次ぐフレームレートを記録しており、トップとの差は10~12%だった。Radeon RX 6800 XTとの差は9~11%。

【グラフ19】オーバーウォッチ (v1.54.0.0.75895)

Call of Duty: Black Ops Cold Warでは、描画品質を設定できる限り最も高くした設定をベースに、レイトレーシングを無効にした設定と、すべて「ウルトラ」にした設定の2通りで、平均フレームレートの測定を行った。

レイトレーシング無効時のRadeon RX 6900 XTは、フルHDとWQHDでGeForce RTX 3090に約3%差をつけてトップにたっている。4Kでは逆に約3%の差をつけられているが、GeForce最上位モデル相手にかなり拮抗したパフォーマンスを発揮していると言える。なお、下位モデルであるRadeon RX 6800 XTとの差は9~19%だった。

レイトレーシングを最高品質で有効化すると、Radeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3090に62~97%という大差をつけられており、WQHD解像度で79.9fpsというプレイアブルなフレームレートを記録するGeForce RTX 3090に対して、Radeon RX 6900 XTはフルHDでわずかに60fpsを上回る程度だった。

【グラフ20】Call of Duty: Black Ops Cold War (v1.4.2.8305760) - レイトレーシング無効【グラフ21】Call of Duty: Black Ops Cold War (v1.4.2.8305760) - レイトレーシング有効

モンスターハンターワールド : アイスボーンでは、描画品質「最高」をベースにしつつ、テクスチャ品質を「High Resolution Texture Pack」に設定してフレームレートを測定した。グラフィックスAPIにはDirectX 12を利用している。

Radeon RX 6900 XTは、GeForce RTX 3090に次ぐ2番手のフレームレートを記録しており、その差は12~25%。下位モデルのRadeon RX 6800 XTとの差は8~9%だった。

【グラフ22】モンスターハンターワールド : アイスボーン (v15.02.00)

アサシン クリード ヴァルハラでは、描画品質を「最高」に固定してベンチマークモードを実行した。

ここではRadeon RX 6000シリーズが圧倒的に優勢で、Radeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3090に23~61%の差をつけて圧倒し、2番手にはRadeon RX 6900 XTと8~9%差のRadeon RX 6800 XTが入っている。

以前、Radeon RX 6800 XTをレビューしたさい、アサシン クリード ヴァルハラはSAMの効果が非常に大きかったタイトルの1つで、とくに低解像度では2割弱もフレームレートが向上していた。今回、WQHD解像度以下でRadeon RX 6000シリーズがGeForce RTX 3090を圧倒した一因として、SAMの恩恵があるものと考えられる。

【グラフ23】アサシン クリード ヴァルハラ (v1.0.4)

ウォッチドッグス レギオンでは、描画品質プリセットを「最大」にした設定と、それをベースにレイトレーシングを「最大」にした設定でベンチマーク結果を取得した。

レイトレーシング無効時のRadeon RX 6900 XTは、フルHDでGeForce RTX 3090を約5%上回って最高フレームレートを記録しているが、WQHDでは約2%差で逆転され、4Kでは約15%に差を広げられている。Radeon RX 6800 XTとの差は約8%。

レイトレーシングを最大設定で有効化した場合、トップに立ったのはGeForce RTX 3090で、Radeon RX 6900 XTはトップと43~67%差の2番手だった。Radeon RX 6800 XTには5~8%の差をつけているが、すべての条件で60fps未満のフレームレートとなっている。

【グラフ24】ウォッチドッグス レギオン (v2.30) - レイトレーシング無効【グラフ25】ウォッチドッグス レギオン (v2.30) - レイトレーシング有効

Godfallでは、描画品質を「最高」に設定して、ベンチマークモードを実行した。

Radeon RX 6900 XTは、フルHDとWQHDでGeForce RTX 3090に7~10%の差をつけてトップにたっている。4Kでは逆に約3%の差をつけられているが、すべての条件で60fpsを超える平均フレームレートを記録している。下位モデルのRadeon RX 6800 XTとの差は7~8%。

【グラフ26】Godfall (v2.1.17)

Horizon Zero Dawnでは、描画品質を「最高画質」に設定して、ベンチマークモードを実行した。

Radeon RX 6900 XTは、フルHDでGeForce RTX 3090を2%上回り、WQHDでほぼ同等、4Kでは逆に10%の差をつけられた。Radeon RX 6800 XTとの差は約8%。全条件で60fpsを超えており、最高画質かつ4K解像度でも快適にプレイすることができそうだ。

【グラフ27】Horizon Zero Dawn (v1.42)

Microsoft Flight Simulatorでは、描画品質を最高の「ULTRA」にして、フレームレートの測定を行った。測定は、羽田空港から関西国際空港へのルートをAIに飛行させ、離陸後3分間のフレームレートを測定している。使用した機体は「Daher TBM 930」。

フルHDやWQHDではCPUのボトルネックが生じるためGPU性能を反映した結果になっていないが、4KでのRadeon RX 6900 XTは、トップのGeForce RTX 3090と約26%差の2番手に位置している。4KでのRadeon RX 6800 XTとの差は約11%。

【グラフ28】Microsoft Flight Simulator (v1.11.6.0)

3DCGソフト「Blender」のオフィシャルベンチマーク「Blender Benchmark」では、Radeon RX 6000シリーズはOpenCL、GeForce RTX 3090はOptiXを用いてGPUレンダリングを実行した。なお、Radeon RX 6000シリーズは、「Victor」を実行するとテストがクラッシュするため、同テストはデータ無しとなっている。

Radeon RX 6900 XTはRadeon RX 6800より4~12%高速だが、最速を記録したGeForce RTX 3090には62~311%の速度差をつけられている。