モダンスタンバイは、かつて、Instant Goと呼ばれていた。さらにその前はConnected Standbyという呼称だった(Windows 10で実装されたモダンスタンバイを試す)。
最初のConnected Standbyから、InstantoGoを経てモダンスタンバイに名前を変えた今も、PCがまるでスマートフォンのように、完全なスリープに落ちることなく通信を維持し、さまざまなバックグラウンドタスクを実行し続けながらも、省電力を実現するというコンセプトは変わっていない。
InstantGoは、IntelのHaswellアーキテクチャ、つまり第4世代以降のCoreプロセッサに実装されている、S0iXという状態を利用して実現されている。
これまでのS3スタンバイに対して、完全に稼働を停止してしまうのではなく、ネットワーク接続を維持し、必要な通信処理をOSが引き受けることで、スリープ状態でありながら、まるでずっと接続されていたかのように振る舞うことができる。
スマートフォンは画面が消灯しているときにもずっと着信を待ち受け、バックグラウンドでさまざまな処理が行なわれている。それと同様の状態をPCでも実現しようというのがInstantGoだった。それが2013年頃の話だ。
世界で最初のInstantGo機は当時ソニーのもとにあった「VAIO Duo 13」だった。パナソニックでも、「レッツノートMX3」にInstantGoを実装して2014年に製品化している。その当時の様子は過去に記事も書いた。
あれから5年。今回は、レッツノートの新製品SV8シリーズにもモダンスタンバイが実装されて製品化された。
SVシリーズといえば、まさにレッツノートの看板だ。12型液晶に光学ドライブ、PCに求められるであろう、ありとあらゆる要素をすべて詰め込みながら、1Kg前後の軽量ボディを実現している。
企業ユーザーからの絶大な信頼を得ているレッツノートのシリーズだが、MX3がリリースされた2014年当時は、企業ユーザーからこの機能は歓迎されず、すぐに終息してしまっている。スリープ時に通信が続いているなど言語道断というのが、当時のシステム管理者の当たり前の考え方だったということだ。