日本人がクリスマスにチキンを食べる理由は=韓国報道(画像提供:wowkorea)
日本ではクリスマスに食べる物が二つある。クリスマスケーキとクリスマスチキンだ。この風習をさかのぼればアメリカが出てくるが、アメリカではこのような伝統がないことが注目される。 日本がクリスマスにケーキを食べる理由は錯覚から始まったというのが、日本近代式文化研究会の最近の見解だ。1950年12月24日、読売新聞は東京銀座でクリスマスケーキが飛ぶように売れている現象を報じた。 当時、戦争が終わって連合国占領軍として日本に駐屯していた米国兵士はケーキを飾ってクリスマスを祝った。1948年、読売新聞は米軍部隊用クリスマスケーキが大量生産される様子を伝えたりもした。これを見た日本人は「ケーキを食べながらクリスマスを過ごすのがアメリカの風習」だと誤解した。実際に米国にはそのような文化はなかったが。 以後、米国は1950年、過剰生産された小麦を日本に売りさばき始めた。民間企業が小麦の輸入を始め、ケーキを自由に生産・販売できるようになり、米国文化に憧れた日本人はクリスマスケーキを買うために駆けつけたという。 日本ならではの「クリスマスチキン」文化も米軍部隊の影響を受けた。欧州ではクリスマスのような特別な日に、高級料理であるガチョウを食卓に並べる。その後、新大陸が開拓され、欧州から渡ってきた人々がガチョウより繁殖しやすい七面鳥を食べ始め、戦後、日本でクリスマスを過ごす米軍人にも、冷凍した七面鳥が配送された。これを目撃した日本人の間で「クリスマスといえば七面鳥」という認識が広まった。 問題は価格だった。当時、七面鳥の価格は1羽5000円に達し、大卒公務員の初任給が1万4000円程度だったのに比べて相当高かった。米国のように七面鳥を食べながらクリスマスを過ごしたい日本人は、焼き鳥を使った。ここからさらに一歩進んでKFCチキンを日本のクリスマス伝統料理として定着させた人が、1970年に日本に進出したKFC1号店の店長、大川毅氏だった。 店舗近くのキリスト教系幼稚園からサンタの格好をしてクリスマス用チキンを配達してほしいという要請をきっかけに、「米国ではクリスマスにKFCチキンを食べる」という噂を流したのだ。彼の根拠のない宣伝文句が日本公共放送のNHK電波に乗って、日本ではクリスマスシーズンに売れるKFCチキンが月平均売上の10倍に達し、伝統料理として定着した。 クリスマスの伝統料理としてのケーキとKFCは「アジアの中のアメリカ」になりたいというその時代の日本人の欲望とこれを利用した戦略の結果と言える。しかし、そんな姿も最近は変化している模様だ。一部の若者の間でクリスマスは古いものの象徴だと言われてもいる。 東洋経済新聞は24日、以前とは違うクリスマスの雰囲気を伝え「バブル時代にはお金をたくさん使う記念日であり、恋人のための日というイメージだったが、現在のコスパを重視し、恋愛をしない若い世代とは合わない」とした。また、一時は不慣れな米国文化への憧れで懸命に消費したケーキとチキンも、今では日常的な食べ物になってしまったため、特別感を失ったと説明した。