政府が2021年11月に、コロナ禍の影響を受けた中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主(以下、中小企業など)に対し、「事業復活支援金」を支給する方針を固めました。
事業復活支援金は、コロナ禍によって悪化した資金繰りの一助になるので、今から情報を集めて準備に取りかかったほうがよいでしょう。
この記事では、中小企業庁が公開している「コロナの影響で 売上が減少している皆様へ」「事業復活支援金事務事業 実地計画書(仕様書)」(以下、計画書)をベースにして、事業復活支援金の給付対象、給付額、給付要件、申請書類、申請方法、申請から振り込みまでの期間、窓口体制などについて現在想定できる範囲で説明します。
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計画書には、事業復活支援金の目的は「新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受け、売上が減少した中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、その影響を緩和して、事業の継続・回復を支援するため」であると書かれてあります。
この支援金の対象者は
となるでしょう。
事業復活支援金の給付額上限は次のように公表されています。法人で最大250万円、公人事業主で最大150万円です。
<給付額>
売上の落ち込みが大きいほど給付額が大きくなります。
給付額が「上限」となっているので、250万円、150万円、50万円、30万円より低くなる可能性があります。
「売上減少率」については次の「給付要件」で解説します。
給付の要件は、次の2項目になります。
計画書にはまだ、「いつと比較した減少なのか」が書かれていませんが、新聞報道などによると、前年または前々年との比較になる模様です。
すなわち、もし事業復活支援金の申請者が2021年12月を選んだら、2020年12月と比較して30%以上減っているか、2019年12月と比較して30%以上比較していれば、要件をクリアすることになります。
事業復活支援金の申請に必要な書類は次のとおりです。
申請方法は原則、電子申請を想定しています。
これまで「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」や「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響緩和に係る月次支援金」といった似た給付金が支給されてきましたが、これらのときは中小企業庁が専門サイトを開設して、そのサイトに登録したり、そのサイトに申請書類を送信したりして受け付けていました。
サイトとインターネットを使った申請のことを、電子申請と呼んでいます。今回も同じ方法になるでしょう。
ただ、電子申請に支障がある場合は、「申請者をサポートする」と書いてあるので、窓口での申請も用意する予想です。
計画書には、事業復活支援金の申請受付業務を行う事業者を募集しています。
その事業者には、申請件数は370万件を想定し、申請受付から2週間以内に給付金を申請者の口座に振り込むよう要請しています。
そのため実際の事業復活支援金でも、申請完了から2週間後には振り込まれると考えておいてよさそうです。
申請を受け付ける窓口体制について、計画書にくわしく記されています。
窓口体制に関する情報は、申請受付業務を行う事業者向けのものですが、申請者にも参考になるものがあるので、箇条書で紹介します。
二重申請や二重給付などの不正を防止する
給付要件を満たさない場合は給付しない
公平な審査を行う
給付金の振り込み作業について
業務体制
審査については上記でも少し触れましたが、申請者にとって重要になるので、あらためて詳しく紹介します。
電子申請で申請を受け付けたら、内容の適切性、提出書類の有無を確認し、不備があったら申請者に不備を知らせ修正を依頼し、給付要件の充足を確認します。
コンピュータシステムを活用して、不備の抑制、作業の自動化、情報の共有を行い、迅速に審査したり、審査の精度を向上させたりします。
事業復活支援金は中小企業などの運転資金になることがあるので、早期の給付が求められます。そのため中小企業庁は、審査を迅速に行おうとしています。
不正受給や誤った受給を予防するため、申請希望者に事前確認を行います。
事前確認とは、事業を実施しているかどうか、給付対象を正しく理解しているかどうかなどの確認になります。
事業復活支援金の対象になる中小企業などは、このお金を確実に受給したいものです。そのために、今から準備できるものをそろえていきましょう。
事業復活支援金では、ほぼ書類審査しか行わないので、書類を確実につくる必要があります。先ほど申請書類を紹介しましたが、わざわざつくらなければならないのは売上台帳だけです。その他の書類は、あるものを用意するだけで済みます。
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