新型コロナウイルスの重症化を防ぐため、国を挙げてコロナワクチンの接種を促しています。高熱や倦怠感などの副反応が出る可能性が高いため、重症化のリスクが低いとされる若い世代が打つメリットがあるのかという高校生からの疑問が寄せられました。内科医の建部雄氏先生に答えてもらいました。(2021年9月時点での情報をもとに作成)
新型コロナウイルスは、世の中に登場した後、ヒトへの感染能力と病原性(宿主に感染症を起こす性質)を「高める」変異を現在も続けています。
実際に日を追うごとに、若年者層への感染が増え、社会で実際に働いている人々が高熱と呼吸困難を中心とする「中等症以上」に至るケースが首都圏を中心に増えつつあります。
今後、特にこれから冬に向けて、残念ながら高校生の方にも感染が及ぶ可能性が高いであろうと危惧しています。
ワクチンを接種することによる副反応は「おおむね軽症であることが圧倒的に多い」ことと、「不妊やガン化など、ワクチンによる長期的な健康被害も考えられない」ことは先述いたしました。
仮にワクチン未接種で新型コロナウイルスに感染した場合、それらの症状が非常につらいこと・不幸にして重篤化した場合、死亡リスクがあること。そして、何とか治癒にこぎつけたとしても、深刻な後遺症を残すリスクが伴うことなどを考えてみましょう。
画期的な新型コロナウイルス感染症治療薬が登場しない限り、予防ワクチンを接種して重症化・死亡リスクの低減を図るのが、最も賢明な選択と判断だと私は考えます。