本製品は、現行のThinkPadシリーズに採用されているアイソレーションキーボードを独立させたかのような製品だ。同社ではこれまでUSB接続モデルのほか、Bluetoothモデルをラインナップしていたが、今回の製品はBluetoothと2.4GHz帯の独自方式の2つの接続方法をサポートすることが特徴だ。
キーボードはThinkPad本体と同じ6段タイプで、筆者が購入したのは日本語JIS配列のモデル。キー数は89で、キーピッチは縦横ともに19.05mm、キーストロークは1.8mmと、十分な値を確保している。重量は516gと10型クラスのタブレット並で、見かけよりずっしりとしている。
本製品の先代に当たる「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」は、最上段のファンクションキー列が4つずつに区切られていなかったが、本製品は(Escキー+)F1~F4、F5~F8、F9~F12がそれぞれグループ化されている。隣のグループと区切りがやや空いているため、キーが見分けやすくなっている。
ThinkPadのキーボードだけを独立させたかのような構造。公称サイズは305.5×164×13.7mm(幅×奥行き×高さ)。重量は516gテンキーは非搭載。またThinkPadでは下段に配置されているトラックパッドも非搭載だスタンドを使って角度をつけた状態。後述するようにスタンドはあまり強度がないので注意スタンドをたたんでフラットに近い角度で使うこともできるアイソレーションキーを採用。ストロークの深さはThinkPad本体のキーボードと同等だF4とF5、およびF8とF11の間に区切りが設けられており、ファンクションキーを押すときのミスタイプが減るよう工夫されているThinkPad本体で言うと、ThinkPad X1 Carbon(2019)(右)と同じ世代の製品ということになる写真を半透明化してThinkPad X1 Carbon(2019)と重ねてみた。キートップの表記こそ一部異なるものの、配列はまったく同じだPgUp/Dnキーが上キーの左右にあること、またPrtScキーが下段にあるのは、ThinkPadのキーボードに慣れていないユーザーにとっては、ややなじみにくいこともありそうだ中央部にはThinkPadでおなじみの「赤ポッチ」ことトラックポイントが搭載されており、キーボードのホームポジションに指を置いたまま、人差し指を使ってマウスポインタを操作できる。一般的なタッチパッドよりも直感的に使えるという人も多いはずだ。
キーボードの手前にはマウスの左右ボタンに相当するボタンがあり、その間には押しながらトラックポイントを上下に動かすことでスクロールが行なえる中央ボタンが搭載されている。これにより、キーボードのホームポジションに指を置いたまま、マウスポインタの移動、左右クリック、さらには上下スクロールといった、すべての操作が行なえる。
ちなみに専用ドライバをインストールすれば、トラックポイントによるポインタの移動速度を調整できるほか、F12キーにアプリの起動や指定URLへのジャンプ、テキスト入力といった操作を割り当てられるようになる。ちょっとした隠し機能といったところだ。
ただしショートカットキーの登録には対応しないため、最下段にあるPrtScキーをこちらに移して使うといった用途に対応できず、また割り当てられると言ってもF12キーわずか1つだけなので、自由度はそう高くはない。おまけ程度に考えておいたほうがよいだろう。
ThinkPadの特徴であるトラックポイントを搭載。軽い力でマウスポインタを操れるキーボード手前に左右ボタンを搭載。従来モデルよりもフラットになりやや扱いづらくなった(後述)Windows用の専用ユーティリティをインストールするとポインタ速度の変更およびF12キーへの独自機能の割当が行なえるF12キーは独自機能の割当が行なえる。ちなみに前述のThinkPad X1 Carbon(2019)などにも同じ機能がある