中学受験はしないけれど、小学校高学年になるにつれ「塾に通うお友だち」が増えてきます。特に都心部で多いようですが、周りの子たちが塾に行っていると聞けば、やはりちょっと気になりますよね。今回は中学受験はしない、でも塾に行かせたほうがいいのかも?だけど、どんな塾があるの?どう選べばいいの?という方向けに詳しく解説します。先輩ママ・パパたちの体験談もあり!
こんな子/こんな家庭が向いている・宿題をやらない/きちんとできない・学習習慣がついていない・塾の月額費用を抑えつつ回数や時間は多いほうがよい・共働きで放課後の時間をある程度うめたい
いわゆる補習塾が向いています。地域でよく見かけるのが、決まった時間内であればいつ行ってもよい「自習室に指導してくれる先生がいる」個人経営の塾です。みんなが同じ学習をしていると、それにはついていけずにお客さんになってしまいそうな場合や、まずは宿題をしっかりやらせて勉強をする習慣をつけたいご家庭に向いています。また、こうした地元密着の塾は費用が比較的安い傾向があります。
教室のスタイル・平日午後15時から19時まで好きな時間に行ってよい・週2回から4回など回数も自由に選べることが多い・先生ひとりに生徒が数名~10人程度・学年が決まっておらず、それぞれがやりたい学習を行う
中には週3日とか5日通塾できる塾もあります。一般的にはクラスに数人~10数人程度がいて、ひとり、ないしはふたり程度の先生が子どもたちの間をまわりながら、わからないところを教えてくれたり、宿題が終わったら類似のプリントを選んで復習できるように導いてくれます。マンツーマンの個別指導のように「つききり」で見てくれるわけではありません。ただ通う時間も比較的自由なところが多く、共働き家庭では放課後の過ごし方のひとつとして「高学年になり学童も利用できなくなった。勉強時間を確保し、宿題も面倒みてもらえるのでおすすめ」という声も多いですね。
こんな子/こんな家庭が向いている・学校の成績が少し落ちている・学校の教科書になるべくそった学習をさせたい・公立中進学までに平均から少し上くらいの成績をキープさせたい
算数・国語など複数の教科で「もうちょっと底上げしたい」「わからないところが増えている、テストの結果も落ちているのでしっかり予習復習させたい」ケースでは、数人対先生ひとりの集団補習塾が向いています。地元の補習塾では地域で使用している教科書に準拠した学習プログラムが多く、2教科のほか4教科を選べるところもあるので、全体的に成績を底上げしたい場合にもいいでしょう。
教室のスタイル・同学年の数人の生徒に対して先生がひとり・前半に宿題の提出・例題の解き方などを指導し、後半の時間で類似問題を解いて答え合わせをするような流れが多い・低学年であれば週2日(こくご・さんすう)高学年では国語算数がメインで理科や社会、英語などを組み合わせることも
いわゆる「塾」のスタンダードなスタイルですね。ホワイトボードがあり、生徒ら数人~10人程度が座って、学校の授業のような雰囲気です。補習塾は受験用ではないこと、また地元密着型では地域の学校が使っている教科書の単元にあわせた指導が多く、学校のテスト結果を伸ばし成績アップをはかる目的が多いようです。
中学進学に向けて「小学校の授業内容でとりこぼしがないようにしたい」「平均よりは上の成績をとらせて中学の内申点へとつなげていきたい」ケースも目立ちます。
こんな子/こんな家庭が向いている
・他の子どもがいると集中できない・先生に質問などができないタイプ・きっちり見守っていないと勉強しない・苦手科目がハッキリしている
個別指導の教室も増えています。先生が横について見守るので、集団塾でありがちな「聞いているだけのお客さん」になりやすい子には特に向いています。1枠で1教科としているところがほとんどです。そのため、算数が苦手、国語の成績が非常に悪いといったように、苦手科目をつぶす目的の人が多いです。集団塾と違い、他の子どもと一緒に学ぶわけではないのでマイペースなお子さんや人見知りのお子さんでも通いやすいメリットがあります。
教室のスタイル・1対2または1対1で教室に通い先生の指導を受ける・曜日や時間の選択肢が広い(選べる)・学校の進み具合にあわせたペースで学習計画がたてられる
多いのは先生ひとりに生徒ふたりで、それぞれが必要に応じた個別のプランで学習します。一般的に費用は高めで、特に1対1のマンツーマンは高い傾向があります。ひとりひとりに合わせた学習プランがたてられるので、たとえば国語でも「特に長文読解が苦手」なら、長文読解の指導を多くしたり、学校の宿題では足りないので「漢字や他のプリントの宿題も出してほしい」といった保護者側の要望も比較的受け入れてもらいやすいと思います。また、集団授業と違い、曜日や時間帯も自由に組み合わせられるので、他の習い事をしていても通いやすい面はあります。
こんな子/こんな家庭が向いている・勉強が好き・今は考えていないが場合によっては中学受験をするかも・公立中に進学してから一定以上の成績をとれるような学習ベースを作りたい
中学受験をうたっている大手進学塾の中には、公立中向けコースがあるところも。平均より少し上くらいの成績をとっている、勉強があまり苦ではないというお子さんなら、身近で受験する子たちの奮闘が見られる大手進学塾も決して悪い選択肢ではありません。中学では高校受験のため、塾へ通う子が圧倒的に増えます。塾で学ぶ環境に慣れておく、基礎的な学力をしっかりつけておきたい場合にも、向いています。
教室のスタイル・生徒数名~10人程度にひとりの先生・規定のテキストを使用し系統立てて学習・1年のカリキュラムがしっかり立てられている
よく「大手進学塾は、受験組がメインだから公立進学コースはあまり力を入れていない感じ」という声もありますが、いっぽうで「地元塾よりもステップアップするカリキュラムがハッキリしていて中学入学へ向けて良い準備になった」「自習室や、発展学習用プリント類の配布、入退室でのスマホ連絡など設備や学習プログラムががとてもよくできてる」という声もあります。
こんな子/こんな家庭が向いている・近くに塾がない・もともとタブレット学習などが好き・できるだけ費用を抑えたい・自分で学ぶ意欲がある
家庭で授業を受けられるので、他の習い事が忙しかったり、近くに塾がない人には特に向いています。一般的な塾よりは費用が安いところが多いのですが、料金にはかなり開きがあります。ただし、オンライン学習は大人でも挫折しやすい面があり、本人に学ぶ意欲が多少なりともないと、家で親が「時間じゃないの?準備はしたの?」「ちゃんと見ているの?」など家庭学習と同じように声をかけないと続かないケースも見受けられます。またインターネット接続等で大人がそばにいないと「パソコンのトラブルは対応できない」こともあります。
教室のスタイル・動画視聴、ライブ配信、双方向授業・インターネットがつながればどこでも受けられる・リアルな対面授業よりは費用がかなり安いケースも
動画視聴(録画された学習解説動画などを見る)、ライブ動画授業(時間が決まっており、生配信で動画視聴)、双方向授業(zoomなどを使用し、先生が質問し生徒が答えるといった互いにコミュニケーションをとりながらの授業)と3つのスタイルが中心です。これらを組み合わせたオンライン学習も少なくありません。
双方向授業では、子どもの出席を確認し、先生が問いかけたり話しかけたり、あるいはグループにわかれて話すなどもできるので、リアルな対面授業に近いものはあります。いっぽうで動画視聴だけの場合、もともと学習に対する意欲がない子だと挫折しがち、見ているだけで満足してしまうといったこともあるようです。
オンライン塾は少しずつ増えていますが、まだまだクオリティに差があるようです。無料体験ができるところがほとんどですので、必ず体験をさせましょう。また保護者とどう連絡をとるのか、学習内容のレポートや報告はあるのかといった点も要チェックです。
1.とにかく近くて通いやすいところ
2友だちが通っているから/通っていないところ
3.塾の内容と家庭の希望がマッチするところ
4.受講費(月謝・費用)は重要
では、塾に行かせるか迷ったけど「やめた」ママ・パパたちの意見も見てみましょう!
場所にもよりますが、周囲に塾がたくさんある場合にはどこがいいのか迷いますね。そもそも、塾に行かせるべきかどうかも、受験はしない・成績がひどく悪いわけでもない、となると「どっちつかず」で悩むケースも多いようです。塾に通わせようと思ったら、まず親が場所や費用などの条件から塾を絞り込んだ上で、本人に必ず体験させて印象を確かめましょう。また、本人の意思も大切ですから、子どもがなぜ塾に行きたいのか、あるいは行きたくないのか、その理由にも耳を傾けたいですね。いずれにしても、誰かにとっては良い塾でも、わが子に合うとは限らないのが塾です。また、「行かせない」選択肢もあることもお忘れなく。