多様なデジタル機器が子供達に対しインターネットの世界に触れる窓口を解放している。それでは今の子供達のうちどれほどが、それらのデジタル機器を利用しているのだろうか。内閣府が2021年3月に報告書を発表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の内容を基に確認していく。
次以降に示すのは小中高校生それぞれの、インターネットへのアクセスが可能な端末によるインターネット利用率(質問票では「インターネットを利用している機器をすべてえらんでください(いくつでも)」とある)。所有権が無くてもインターネットを利用さえしていれば回答には該当する。なお次以降のグラフは、グラフ間の比較もできるように、基本的に縦軸の区分は統一している。
まずは小学生。
従来型携帯電話やパソコンなどの利用率は低く、スマートフォン(通常)やタブレット型端末、携帯ゲーム機が突出する形でほぼ横並び。子供向け従来型携帯電話はやや高めの12.2%の値が出ているが、これは多分に保護者が防犯用として持たせているものと考えられる。
ゲーム機では据置型が3割強なのに対し、携帯ゲーム機が4割近くとなっており、現状のゲーム業界を象徴する値にも見える。無論今件はあくまでもインターネットを利用している人の割合なので、インターネットに接続をせずにゲーム機を使っている人も少なからずいるはずではあるのだが。
タブレット型端末の利用率が高いのも注目に値する。小学生では5人に2人以上がタブレット型端末でインターネットを利用している計算になる。
続いて中学生。
小学生と比べると携帯ゲーム機の利用率は下がり、その分携帯音楽プレイヤーが上がる。娯楽として音楽視聴をする人が増えていることを表している。またスマートフォンの利用率も大きく伸び、中学生時点ですでに2/3強となっている。中学生の時点で、インターネットを使うためのデジタル機器でもっとも使われているのはスマートフォンなのが現状。パソコンではノートパソコンが21.2%、デスクトップパソコンが8.2%。中学生ですらタブレット型端末がノートパソコンを大きく追い抜いたポジションにあるのが印象的。
最後に高校生。
スマートフォンの利用率がさらに伸び、9割台となっている。他方携帯ゲーム機の利用率は落ち込み、携帯音楽プレイヤーもあまり変わらず。ノートパソコンは伸びているが、それでも24.4%と1/4近くでしかない。他方、タブレット型端末は値を落とし、3割近くにとどまっている。
おおよそこれらの流れから、インターネットに接続できる機種の利用状況は、小学生はスマートフォンとタブレット型端末と携帯ゲーム機が大体同じぐらい、中学生はスマートフォンがメインで次いでタブレット型端末と携帯ゲーム機、高校生になるとスマートフォンがほぼ主流になる流れを示しているのが分かる。
現状では小学生の約5割、中学生の約8割、高校生ではほぼ全員がスマートフォンを使ってインターネットにアクセスをしている。ほんの数年前では信じられないような実情ではある。
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※令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2020年11月5日から12月13日にかけて2020年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法も併用。保護者は訪問配布訪問回収法が原則)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法を併用している。有効回答数は青少年が3605人(うちウェブ経由は388人)、保護者は3633人(うちウェブ経由は421人、郵送回収法は180人)。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
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