──と、お嘆きの諸兄にオススメなのが「EMONSTER S11HT」(以下、S11HT)だ。S11HTはチルトディスプレーやスライドキーボード、GPSなどを搭載したイー・モバイルのハイエンドスマートフォンである。
なぜこの時期に、そしてどこが「S11HT」のオススメポイントなのか? ここで簡単に説明しておこう。それはズバリ、標準機能の「インターネット共有」と各種オンラインソフトの合わせ技で、ポータブル無線LANルーターとして使えるようになる点だ。
S11HTを「無線LANルーター化」すれば、わざわざ無線LANスポットまで行かなくても、iPod touchやUMPCなどの無線LAN搭載機器からS11HTを経由してインターネットに接続できる。平たく言えば、S11HTのある場所が「動くホットスポット」になるということだ。
一見競合するようだが、実は仲良くできる「iPod touch」と「EMONSTER」
こうした活用法が可能なのはS11HTならではの魅力と言える。S11HTはまもなく発売後半年を迎えるベテラン機種だが、現時点で無線LANルーターとしてまともに使える事実上唯一のスマートフォンであり、依然として存在価値は高い。無線LANルーター化にともない、追加の通信料金が発生することもない。
繰り返しになるが、S11HTのある場所がホットスポットになる。ということは、例えば出張先で無線LAN以外の通信手段を持たない同僚のパソコンとファイルを共有するといったことも手軽に実現できるのだ。
もちろんS11HTはスマートフォンなので、単体で通話やインターネットを利用することも可能だ。ということは、携帯電話とデータ通信端末を別々に契約する必要もなく、持ち歩く機材も最少限ですむ。
そんな便利なS11HTを無線LANルーターにする方法は2種類ある。ほぼ全自動で使い勝手のいい「WMWifiRouter」というシェアウェアを使う方法と、やや手間はかかるがフリーソフトの「ICS Control」を使う方法だ。
一概にどちらがいいかは断言できないが、使いやすさを重視する人やビギナーはWMWifiRouterを、設定作業を厭わない人やとにかく無料で使いたいという人はICS Controlを選択するといいだろう。
次ページでは、それぞれのソフトごとに設定方法を解説しよう。