みんなが「おいしい」と思うものが、いとも簡単に作れる粉末の味の正体とは……?(写真:aijiro/PIXTA)
食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、新聞、雑誌、テレビにも取り上げられるなど大きな反響を呼んだ『食品の裏側』を2005年に上梓した安部司氏。70万部を突破する大ベストセラーとなり、中国、台湾、韓国でも翻訳出版され、いまもなおロングセラーになっている。その安部氏が、『食品の裏側』を発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、この度『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』を上梓した。15年のあいだに書きためた膨大なレシピノートの中から、たった5つの「魔法の調味料」さえ作れば、簡単に時短に作れるレシピを厳選した1冊だ。同書は発売後、たちまち6刷5万部のベストセラーとなり、各メディアで取り上げられるなど、話題となっている。「『ABEMA Prime』チャンネルAbema/news」(9月8日放送)にも出演した安部氏が「『日本人の舌を壊す』“黄金トリオ”のヤバい正体」について語る。私は講演会でよく、みなさんの前で「ラーメンスープ」作りの実演をします。
『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)まさかいきなり寸胴鍋をもってきて、豚骨や野菜を煮込み始めるわけではありません。「食品添加物」と「各種エキス類」を駆使して作り上げるのです。
机の上には「白い粉」(添加物やエキス)の入った小瓶がずらりと並んでいます。この小瓶から次々とこさじで粉をすくっては調合するのです。計るなんてしません。何十年もやってきたことですから、手が加減を覚えています。
「さあ、できました! どうぞ試飲してみてください!」出来上がったスープをお湯で溶き、紙コップに入れて勧めますが、誰も手が伸びません。「さまざまな粉」とお湯だけで作った「ラーメンスープ」なので、ちょっと引きますよね。でもそのうち、勇気ある人が恐る恐る口を付けます。
「あっ、おいしい!」会場はザワザワ……。みなさん次々と試飲をはじめ、「いつも食べているラーメンの味だ!」などと驚きの声があちこちで上がります。