『ドクターホワイト』(c)カンテレ
「それ、誤診です」。1月17日に放送された『ドクターホワイト』(カンテレ・フジテレビ系)第1話では、浜辺美波が感情を喪失したドクターを演じた。医療ジャーナル記者の狩岡将貴(柄本佑)は、ある朝、森の中で白衣を着た若い女性・白夜(浜辺美波)と出会う。その場に倒れ込んだ白夜は病院に搬送されるが、記憶を失っており、自分がどこから来たかもわかっていない様子。ただし、医療に関する並外れた知識と、原因不明の症状に確定診断を下す天才的な感覚を持っていた。【写真】白衣姿で無表情の浜辺美波 『ドクターホワイト』の舞台は、医療ミスを起こした高森総合病院。白夜の診察をした院長の娘で将貴の幼なじみでもある内科医の麻里亜(瀧本美織)によると、白夜は「全てのものを珍しそうに見る」。何も知らない赤ん坊のような無垢でまっすぐな視線と誤診を事前に見抜いてしまう姿から、“ドクターホワイト”という呼称が白夜を指していることがわかる。医療知識以外の知識と人間的な感情のない白夜は、社会性が全くと言っていいほど欠落しており、将貴をはじめ周囲の人々は、白夜のとっぴな言動に振り回されることになる。 浜辺にとって、白夜という役はこれまでに演じたキャラクターの集大成的な面と、新機軸の面を持っている。サスペンスや学園ものからコメディ路線まで、多彩な役柄に挑戦してきた浜辺であるが、シリアスな作風で見せる凛とした佇まいと、コメディエンヌとしてのポテンシャルの高さが印象的だ。作り込まないナチュラルな魅力は、まっ白なキャンバスにもたとえられる。そんな浜辺が演じる白夜は無地の背景を持つキャラクターであり、それを浜辺が先入観を交えない演技で具現化している。演者とキャラの融合ぶり、シンクロ度の高さを感じる。 主人公が記憶喪失というストーリー設定では、主人公自身が最大の謎であり、キャラクターの設定が物語の展開に直結する。白夜は、将貴や将貴の妹の晴汝(岡崎紗絵)と交流する中で感情を理解していく。晴汝の作ったハンバーグを「味覚がとても強く刺激されています」と表現していたのが、第1話終盤では、おしるこを口にして「糖分、美味しいです」と表現が微妙に変化しており、医療を通じて白夜が人間性を回復する過程が描かれていくのではないだろうか。