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パソコンの普及率の長期推移をさぐる(2020年公開版)

書かれた 沿って notbook

スマートフォンの普及に連れてパソコン離れが指摘される昨今。昔からパソコンは世帯内にあるものだったのだろうか。パソコンの普及率の長期的な推移を内閣府の消費動向調査(※)の結果から確認する。

次に示すのは二人以上世帯におけるパソコンの普及率の長期的推移。長期調査の対象は二人以上世帯のみなので、この値でパソコンの普及実情を確認する。なおこの値はあくまでもパソコン本体(もちろんディスプレイなど、利用のために必要な周辺機器を含む)そのものの普及率であり、インターネットに接続している・アクセスできるパソコンの普及率ではない。またデスクトップパソコン、ノートパソコンの種類分けは行われていない。

もちろん現在ではパソコン利用者がほぼインターネット利用者なのは間違いない。しかし一方で、昨今では携帯電話や家庭用ゲーム機などでも本格的にインターネットへの接続ができるため、パソコン利用率=インターネット利用率ではない(普及率から鑑みるに、パソコン利用率<インターネット利用率)ことにも留意しておく必要がある。

パソコン普及率は1990年後半から急速に上昇しはじめたが、2004年の65.7%で勢いは頭打ち。その後再び上昇を見せるも、70%を超えた付近で増加度合いはゆるやかなものに。

またこの数年、保有世帯あたりの保有台数が横ばい、さらにはおおよそ漸減している動きが見られる。これはスマートフォンやタブレット型端末の普及により、パソコンを複数台整備しない・する必要が無い世帯事例が増えているのが要因だと推測される。例えばかつては父親以外に母親や子供もパソコンが必要な環境でも、今はパソコンを使うのは父親だけで、子供や母親はタブレット型端末やスマートフォンでインターネット関連の利用をこなしていくといった図式である。

文章作成をはじめとした各種実務作業にはキーボードを持つパソコンは欠かせないが、ウェブサイトへのアクセスやアプリの利用だけなら、スマートフォンやタブレット型端末で十分代替可能。さらにタブレット型端末の中にはキーボードを取り付けるなどの仕組みで、ノートパソコンと何ら変わりの無い性能を発揮するものもある。昨今特に若年層におけるキーボード離れ、パソコン離れに関する話題をしばしば見聞きするか、その傾向が消費動向調査にも反映され始まった感はある。

もっとも、直近の2020年時点でも、二人以上世帯限定だが、5世帯のうち4世帯近くはパソコンが自宅にあるのもまた事実には違いない。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の普及・保有状況」を今件精査では用いている。これは「回答者の世帯において対象品目を回答時点(直近分の場合は2020年3月末時点)で持っているか否か」「持っている場合は保有数量はどれほどか」を尋ねた結果。具体的な利用状況は尋ねていない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。