米Diodes(ダイオーズ)は、音圧レベル(SPL:Sound Pressure Level)を選択できる圧電ブザー(圧電サウンダー)用ドライバーICを発売したニュースリリース。圧電ブザーに印加する電圧を変えることで、音圧レベルを選べる。印加電圧を31VPPにすると、高い音圧レベルが得られるがバッテリー駆動時間は短くなる。一方、印加電圧を22VPPにすれば、音圧レベルは低くなるもののバッテリー駆動時間を延ばせる。応用先は、GPSトラッカーやBluetoothトラッカー、携帯型医療機器加湿器、産業用警報装置などである。
GPSトラッカーに向けた圧電ブザー用ドライバーIC(出所:Diodes)[画像のクリックで拡大表示]昇圧型(ブースト型)DC-DCコンバーター回路を集積することで、22VPPや31VPPといった高い印加電圧を可能にした。スイッチング素子とダイオードは集積しており、外付けで必要な部品は1.0μHのインダクターのみである。このため「部品(BOM)コストとプリント基板の実装面面積を抑えられる」(同社)。
新製品の応用回路例(出所:Diodes)[画像のクリックで拡大表示]新製品の型番は「PAM8907」。バッテリーからの入力電圧範囲は+1.8~5.5V。圧電ブザーに印加する電圧は、汎用入出力(GPIO)を介してユーザーが選択する。PWM信号入力(DIN端子入力)が100ms(標準値)以上にわたって低(ロー)レベルが続くと自動的にシャットダウンモードに移行する機能や、再び高(ハイ)レベルに変化すると自動的に起動(ウェイクアップ)する機能を搭載した。「これらの機能を使うことで、バッテリー駆動時間をより延ばせる」(同社)。シャットダウンモード時の消費電流は最大1μAと少ない。保護機能として、サーマルシャットダウン機能や過電流保護機能、過電圧保護機能などを用意した。
パッケージは、実装面積が2.0mm×2.0mmと小さい10端子DFN。動作温度範囲は−40~+125℃。すでに販売を始めている。3000個購入時の参考単価は0.43米ドルである。