限られた予算内で「3D CG制作も可能なハイスペックなPCを……」と考えたとき、みなさんは何を重視しなければならないと感じるだろうか。
3D CGを扱うとなると、昨今のヘビーな3Dゲームに適したPCと考慮すべきポイントはさほど違わないように思える。であれば、グラフィック性能の要となるGPUに予算を多めに配分し、CPUもそれに見合う可能な限り高速なものにすべきと考えるのではないだろうか。
あとは予算残高に応じてメモリ容量を調整しつつ、コストパフォーマンスの良い小容量のSATA SSDとデータ保管用の大容量HDDを組み合わせる……という感じかもしれない。少なくともそこで、GPUやCPUよりも先に「高性能なSSDを」と考える人はまれのはずだ。
ところが実際の3D CG制作の現場では、高性能なSSDが最も重要なパーツとして認識されているという。
著名なゲームや映像作品の3D CG制作を手がける「SAFEHOUSE」は、まさにその高性能なSSDの恩恵を受けている企業の1つ。
米Blizzard Entertainmentのゲーム音楽レコーディングなどを手がけた経歴をもつ由良浩明氏を筆頭に、同じく米Blizzard Entertainmentやスクウェア・エニックスで3D CGおよび映像制作の経験を積み重ねてきた鈴木卓矢氏ら、10名弱からなるプロフェッショナル集団だ。
同社は設立が2019年1月と間もないが、そのタイミングでTSUKUMOの協力のもと、BTOパソコン「G-GEAR」シリーズを10台導入した。パーツ選定にあたって最もこだわったのはSSD。選んだのはSamsung製のNVMe(NVM Express) SSDである「SSD 970 EVO Plus」(1TB/M.2)だった。CPUでもGPUでもなく、なぜNVMe SSDに注目したのか、由良氏と鈴木氏のお2人に話を伺った。