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ウクライナの危機を前に、いまわたしたちができること | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

書かれた 沿って notbook

昨年度からいつ侵攻が起こってもおかしくないような状況が続いていた、ロシアとウクライナ。2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻がついに始まった。首都キエフの郊外にある軍事施設が巡航ミサイルの攻撃を受け、ウクライナ軍の拠点であるクラマトルスクや、首都キエフの郊外にあるボリスピル、そして南部にある軍事施設などで攻撃が行われ、今も多くの人々が不安な日々を送っている。

ウクライナとロシアの状況は今、刻一刻と変化しており、不明瞭なことも多い状況だ。しかし、ウクライナにいる人々が今、援助を必要としているということは確かである。日本にいる私たち個人、そして企業にできることは一体なにか、本記事でまとめていきたい。

  1. 個人でできることは?
  2. 企業にできることは?海外企業による動き
  3. 日本企業・政府・自治体の動き
  4. 一人ひとりができることを

正しい情報を集めることと同様に、ウクライナとロシアがなぜこのような事態になってしまったのか、その背景をきちんと理解することも大切だ。もちろん今起きている戦争は許されるべきことではない。しかし、背景を知らずに一方的に「ロシア=悪」という見方をしてしまうことには危うさがある。ロシアという国が今日までたどってきた歴史的変遷を知ることで、インターネット上の過激な発言は減り、より平和的な解決にもつながるだろう。

上述の「適切な情報を知る」の6つ目、テレ東BIZの動画では、様々な参考文献をもとに、あえて完全にロシア側の視点に立って今回の情勢を捉えた動画もある。欧米よりの偏った意見だけでなく、多様な視点から一つの物事をとらえることが大切だ。

すでに数多くの団体が寄付を募っている。しかし、場合によっては自分の寄付が軍の支援などにつながり、間接的に戦争に加担してしまう可能性もある。そのため、寄付を検討している団体のウェブサイトなどをチェックし、使用用途などを確認したうえで、納得できる団体に寄付することをおすすめする。

全世界がウクライナの人々と共にあることを伝える署名活動も行われており、こちらのAvaazというサイトでは、メールアドレスと氏名を入力するだけで簡単に署名することができる。すぐにできるアクションとして参加してみてはどうだろう。

ロンドンやパリなど、世界各国でロシアの軍事侵攻に反対するデモが行われる中、日本でも2月26日午後、日本に住むウクライナやロシアの人々が都内でデモを行った。

こうしたデモに参加するのも一つの手だが、参加することが難しい人も、インターネットで声を上げることはできる。SNSを見渡すと、「#あらゆる戦争に反対します」「#NoWar」などのハッシュタグを使って発言する人々も多く見られる。事実を知り、それを見て感じた自分の考えや想いをシェアすることは大切なことではないだろうか。

ウクライナの危機を前に、いまわたしたちができること | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

また、ウクライナの国旗のカラーである青や黄のものを身に着けることも平和を訴える一つの手段だ。この二色の花を買ってきて家に飾ってみるのもいいかもしれない。

声を上げたり、意思表明をしたりすることで想いを発信することは大事なことだ。しかし同時に、声を上げることは勇気や労力を要することでもある。傷ついた心を犠牲にしながら無理に情報収集したり声を上げようとしたりすることで、もっと辛くなってしまう人もいるだろう。

まずは自分自身に優しくなろう。そして、今日という1日や平和、命のありがたさを実感し、家族や友人、同僚など目の前にいる大切な人を大事にしながら時間を過ごす。身の回りから平和な世界を広げていくことも、戦争によって苦しんでいる人を守ることにつながるのではないだろうか。

ここまで、個人でできることを紹介してきたが、企業として動くことで、より大きなインパクトをもたらすことができる可能性がある。今、世界の企業は紛争に対してどのように動いているのだろうか。

アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、大手電気通信事業者であるVerizon Communications(ベライゾン・コミュニケーションズ)は、2022年2月25日から3月10日まで、ウクライナへの通話料金を免除することを発表。困難な時期に、顧客はウクライナにいる愛する人々とのつながりを維持する必要があるという想いが込められている。

また、米大手モバイルサービスAT&Tも2月26日から3月7日まで、T Mobileも2月24日から3月3日まで同様に、顧客に米国からウクライナへの無料・無制限の長距離電話を提供している。

テスラ創業者であるイーロン・マスク氏が創業した、世界中に高速で低遅延のブロードバンドインターネットを提供するSpaceXも、衛星インターネットサービスStarlinkの提供を開始したことを発表した(※1)。

「歴史は勝者によって作られる」という言葉があるが、ベルリンを拠点とするブロックチェーンスタートアップArweaveは、重要なニュース記事やドキュメント、ビデオ、ソーシャルメディアの投稿など、あらゆるデジタル形式のメディアの情報が改ざんされ、歴史が捻じ曲げられないよう、ブロックチェーンで事実を記録している。

1週間前のアップロード数は10万件のみだったにもかかわらず、世界中のネットワークにより、この数週間だけですでに650万件以上の情報がソフトウェアにアップロードされ、今では50テラバイトを超えるデータを保護しているという(※2)。

2月25日、NFTを使用し、ウクライナを支援するための資金調達を行う新しいイニシアチブが発足。同組織は、2011年に設立されたロシアのフェミニスト・ロックグループPussy Riot、NFTのキュレーションを行うTrippy Labs、DeFiやNFT関係者の組織PleasrDAOにより設立された。

“私たちの目標は、プーチンがウクライナで始めた戦争に苦しむ人々を助けるウクライナの市民団体に寄付するための資金を集めることです。(Pussy Riot氏のtwitterより)”

Airbnb.orgは、ウクライナからの避難民10万人の受け入れを表明。Airbnbのホストに無償、もしくは割引価格で宿泊先を提供することを求めている。その場合、滞在する側もホスト側もサービス料が免除される予定。また、寄付のみの支援も受け付けている。

中小企業庁は、ウクライナ情勢や原油価格高騰などにより影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援するため、相談窓口を設置。さらに、厳しい状況に直面する事業者に対する資金繰り支援を実施している。

横浜市でも、ウクライナ情勢の影響を受ける、またはその恐れがある市内中小企業を対象として、経済局金融課、公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)及び横浜市信用保証協会に、「特別経営相談窓口」を設置。資金繰りや経営に関する相談を受け付けている。

楽天はウクライナ支援策として、「Viber」で固定電話や携帯電話への音声通話を無料で提供し、人々がウクライナの家族とコミュニケーションが取れるように動いている(※3)。なお、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は2月27日、自身のTwitter上でウクライナに10億円を寄付することも表明した。

「暮らしに寄り添う」道具を作り続けてきたヤマチクが、売り上げの全額をウクライナの平和のために寄付する箸を販売。「私たちの暮らしは、平和の上に成り立っている。だから、平和を願い、その実現に尽力することは、企業人として最も基本的な使命です。」そんな想いから販売を開始した。売上金は、「在日ウクライナ大使館」を介して寄付されるそうだ。

※ 販売開始から2時間で150膳が売り切れ。売上金15万円にヤマチクからの寄付金を加えて、寄付される予定だという。

テレビやインターネットには、破壊された街や戦闘の様子、隣国へ逃げるウクライナの人々などの映像が毎日映し出されている。その惨状を見て「自分には何ができるだろうか」と考えている人は少なくないだろう。しかし同時に、心を病んでしまっている人も少なくないと感じる。かつて凄惨な戦争を経験し、福島第一原子力発電所の事故も経験した日本。核兵器の恐ろしさを身をもって知っている人にとっては、特に耐え難い現状だと想像する。

本記事で述べてきたように、個人や企業でできることは色々とあるだろう。しかし、必ずしもそういったアクションがとれなくてもいい。辛い気持ちになった時は、家族や友人、SNSでつながっている人など、自分の想いを安心して打ち明けられる誰かと話したり、情報から一歩距離をとったりすることで、自分自身の健康を守ることも大切だ。

不安な日々はまだ続くだろう。だが、まずは自分や周りの人を大切に、出来ることから少しずつ一緒に始めてみよう。春の訪れとともに日本に広がる青空のように、美しい空が一刻も早くウクライナに戻ってくることを願って。

※1 Musk Activates Starlink Satellites in Response to Ukraine Plea※2 A Blockchain-Based Noah’s Ark Is Being Used To Preserve A Record Of The Ukraine Conflict※3 楽天、自社の「Viber」でウクライナ支援策を展開 三木谷氏「本当に心が痛む」

IDEAS FOR GOODを運営するHarch株式会社の別メディア、Livhubでは、コラム「ウクライナの平和な日常の景色を、今だからこそ想像しよう」を公開しています。もしよろしければ、そちらもご一読ください。

【参照サイト】9 Meaningful Ways You Can Help Ukraine【参照サイト】 RUSSIA-UKRAINE WAR: INFO AND WAYS TO HELP【関連記事】在日ウクライナ大使館がTwitterで寄付先公表。「日本円で受付はありがたい」「平和のために役立てて」善意続々

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