Appleが先日のイベントにて発表した、「iPad Air」(第5世代)。M1チップの搭載により大幅にアップデートされた同タブレットは、はたしてどのようなユーザーへアピールする製品となっているのだろうか。【写真】発表されたiPhone 13新色やiPhone SEなど iPad Air(第5世代)の大きなトピックは、「M1」チップの搭載と高速な5G通信への対応だ。M1チップはAppleが独自開発したプロセッサで、極めて高い消費電力あたりのパフォーマンスを実現している。また、ML(機械学習)処理を担当する次世代のNeural Engineの搭載も特徴だ。 基本スペックをおさらいすると、画面は10.9インチのLiquid Retinaディスプレイで、周辺環境にあわせて色を自動調整する「True Tone」に対応。本体背面には1200万画素の広角カメラ、前面には1200万画素の超広角フロントカメラを搭載している。生体認証システムとしては、電源ボタンに内蔵された指紋認証機能「Touch ID」を利用する。 周辺機器としては、スタイラス「Apple Pencil(第2世代)」に対応。ディスプレイの無段階での角度調整が可能なキーボードケース「Magic Keyboard」や、よりシンプルなキーボードケース「Smart Keyboard Folio」も利用できる。本体下部にはUSB-Cコネクタを搭載するが、Thunderboltによる通信には対応していない。 同じくM1チップを搭載する、iPad Airよりも上位モデルとして位置づけられている「iPad Pro」と比較してみるとどうだろうか。iPad ProはディスプレイとカメラがiPad Air(第5世代)と差別化されている。 iPad Proは、iPadシリーズの中でも最大サイズとなる12.9インチモデルが選択できる。さらに画面の高速駆動技術「ProMotionテクノロジー」を搭載し、ゲームや画面のスクロール操作などで、よりスムーズな画面描写が期待できる。 iPad Proは1200万画素の広角カメラと1000万画素の超広角カメラを搭載しており、さまざまな画角での撮影が可能となっている。このようにリッチな画面表示やカメラ撮影機能が必要なら、iPad Proを選択するのもアリだろう。一方で、気軽にイラスト制作をしたり、ビジネス用途で使うのなら、iPad Air(第5世代)で十分だ。 Appleがラインアップする、最も廉価なタブレットこと「iPad」。iPad Air(第5世代)の登場によりそのスペックの差は広がったが、39,800円(税込)から購入できる良好なコストパフォーマンスは健在だ。 iPad Air(第5世代)とiPadを利用する際に最も顕著に感じられる差は、対応する周辺機器の違いだろう。iPadではApple Pencil(第2世代)やMagic Keyboardだけでなく、USB-C接続の外部ストレージやキーボード、マウスなどが利用できない。これにより拡張性や外部デバイスとの接続の易しさにおいては、iPad Air(第5世代)に軍配が上がる。 Appleは8.3インチの小型タブレット「iPad mini(第6世代)」も販売している。こちらもiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」プロセッサを搭載し、Apple Pencil(第2世代)に対応するなど、先端機能を搭載している。小さな画面でも高性能なタブレットが欲しければiPad mini(第6世代)を、より大きな画面でネットサーフィンや動画が楽しみたいのならiPad Air(第5世代)を選ぶのがいいだろう。 新プロセッサの投入により、圧倒的に性能が向上したiPad Air(第5世代)。iPad Proほどの大画面は必要ないけれど、最新のApple Pencilによる快適なイラスト作成がしたい、あるいはヘビー級のゲームも楽しみたいという欲張りなユーザーにとっては、iPad Airが最も有力な選択肢になることは間違いないはずだ。(Source: https://www.apple.com/jp/newsroom/2022/03/apple-introduces-the-most-powerful-and-versatile-ipad-air-ever/)
塚本直樹