配信
139コメント139件「G'zOne TYPE-XX」
G'zOneケータイが、熱いファンの声を受けて復活を果たした。G'zOneブランド20周年記念モデルの4G LTEケータイ「G'zOne TYPE-XX」が2021年12月10日にauから発売された。【画像】歴代G'zOneケータイの一部 G'zOne TYPE-XXでは、KDDI、カシオ計算機、京セラの3社がコラボレーション。携帯電話製造から撤退したカシオがデザインを担当し、京セラが製造するという異例の体制で開発された。その仕掛け人となったKDDIの企画担当者近藤隆行氏と、カシオ計算機のデザイナー井戸透記氏に開発秘話を聞いた。
―― 今回の「G'zOne TYPE-XX」では、カシオは2013年末に携帯電話事業から撤退して以来のG'zOneブランドの復活となりましたね。井戸氏 まずはこのインタビューの場をお借りして、カシオのユーザーさんにおわび申し上げます。私はカシオでデザイナーとして、携帯電話の初号機モデル「C303CA」からほぼ全てのモデルのデザインディレクションに携わっていました。 2013年のカシオの携帯事業撤退は、ユーザーさんにとっては唐突に思われた方も多いかと思います。シェアの少ない一メーカーが撤退しただけといえばそれまでですが、2000年の初号機モデル「G'zOne C303CA」以来、熱いファンを大切にするという思いで、製品開発に熱意を持って取り組んでいました。カシオの参入当時は日本メーカーのケータイが全盛期でした。カシオは最後発で参入しただけに、存在意義を問われる立場でもあったのです。 タフネスケータイのG'zOneはまさにカシオらしさを突き詰めたモデルですし、他にもデジカメメーカーとしての知見を生かしたEXILIMケータイだったり、普及期に対しても「Heart Craft」というコンセプトで、今でいうジェンダーレス・エージレスといった価値観を取り入れていたりと、少数かもしれないけど、コアなファンが多いんですね。カシオの携帯には。 そんなカシオが撤退したときに、ユーザーさんは「次の機種変更はどうしようか」と困られていた方もいらっしゃったようです。特に、G'zOneは仕事で使われる方も多かったので、本当に申し訳ないことをしたなぁと思っていました。 その後、近藤さんが京セラさんと新しいタフネスシリーズのTORQUEを出すようになりました。個人的な心情としては、カシオのタフネスケータイを続けたかったというのはもちろんありますが、救っていただけたとも思っています。―― 一度スマホから撤退したブランドを、他のメーカーの製造で復活させるというのは、なかなかチャレンジングな取り組みだったのではないでしょうか。製品化に至った背景をお聞かせください。近藤氏 製品化のきっかけは、お客さまの声でした。KDDIでは製品展開の参考として、お客さまへのアンケートやグループインタビューで声を聞くというのは常に検討しているのですが、最近では「フィーチャーフォンのラインアップが少ない」というご指摘を多くいただいていました。 スマホシフトが進む世の中ですが、われわれとしてはフィーチャーフォンも継続提供していますが、とにかく多くのお客さまが手に取っていただけるように、特徴が薄い、一般的なモデルが多くなっているラインアップ構成になってきていました。お客さまから、「ラインアップがつまらない」「昔のようにもっととがったフィーチャーフォンが欲しい」といったお声や、さらには「フィーチャーフォンをないがしろにしているのではないか」といった厳しいお声もいただいておりました。
次ページは:G'zOneユーザーの98%が次もG'zOneを希望1/9ページ
最終更新:ITmedia Mobile